
「この写真、売れたら嬉しいな」
そんな軽い気持ちで始めた写真販売。でも、実はちょっとした写り込みが思わぬトラブルを招くこともあるんです。
たとえば、背景にチラッと映った通行人。看板の一部に見える人気キャラクター。あなたにとってはただの“偶然”でも、法律の世界ではそれが著作権や肖像権の問題になる可能性があります。
「自分で撮った写真だから大丈夫でしょ?」
「後ろ姿だけならOKなんじゃないの?」
そんなよくある思い込みが、販売サイトのアカウント停止やクレームの原因になることも。
この記事では、写真を販売する際に知っておきたい著作権・肖像権の基礎から、キャラクターや商品ロゴが写ってしまった場合の注意点、実際にあったトラブル事例、そして安全に写真を売るためのチェックポイントまで、徹底的に解説していきます。
写真販売を安心して続けるために、知らずに踏んでしまう“地雷”を今のうちに回避しておきましょう。
目次
写真を売るときの「著作権」の基本を知っておこう
写真を販売する際にまず理解しておきたいのが「著作権」です。
自分で撮った写真には、基本的にあなた自身に著作権がありますが、それで「何でも自由に使っていい」と思ってしまうのは危険。
なぜなら、写真の中に他人の著作物が含まれていた場合、その部分には別の権利者がいるからです。
この章では、著作権の基本と、販売する上で気をつけるべきポイントを分かりやすく解説していきます。
自分で撮った写真でも著作権があるの?
「自分で撮った写真だから、勝手に使っても問題ないよね?」
これはよくある誤解ですが、実際には「使い方」によっては問題が起きることもあります。
まず大前提として、自分が撮影した写真には著作権が発生します。
つまり、その写真をどう使うかは基本的に撮影者であるあなたの自由です。
しかし、その写真の中に“他人の著作物”が含まれている場合、その部分には別の著作権が存在します。
たとえば、撮った写真に有名なアニメキャラのポスターが写り込んでいたとします。
この場合、写真全体の著作権はあなたにありますが、そのポスター部分についてはキャラクターの権利者(著作権者)が別に存在します。
つまり、
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自分が撮った写真=自分に著作権がある
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ただし、写真の中のコンテンツにも他人の著作権が宿ることがある
このように理解することが大切です。
「この景色、誰にも文句言われないでしょ?」と思っていたら、背景の建物のデザインが著作権の対象だった…なんてことも。
写真販売では“写ってるものすべて”に責任を持つ必要があるんです。
写真に他人の著作物が写っている場合の注意点
たとえあなたが撮った写真でも、その中に他人が創作した「著作物」が写っている場合は注意が必要です。
著作物とは、たとえば本の表紙、映画のポスター、アニメキャラクター、芸術作品、パッケージデザインなど、創作性のあるもの全般を指します。
たとえば、「街を歩いていたらポケモンの広告が貼ってあったので、それを含めて風景写真を撮影した」というケース。SNSに投稿する程度なら“グレー”で済むことが多いですが、「販売」や「商用利用」となると、キャラクターの権利者から“無断使用”と見なされ、削除要求や法的措置の対象になることがあります。
さらに、絵画や彫刻などのアート作品、建物の装飾、企業ロゴなども著作物に該当するケースがあります。
「撮ってOK」と「売ってOK」はまったく別物なんですね。
著作物が写り込んでいる場合には、
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加工して見えなくする
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モザイク処理をする
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明確な許可を得る
などの対応が必要になる場合があります。
安全に写真を売るためには、「写真全体」だけでなく「写真に含まれるすべての要素」に目を向けることが大切です。
撮った写真を編集・加工すると著作権は変わる?
「ちょっと加工すれば問題ないでしょ?」と思うかもしれませんが、編集や加工を加えたとしても著作権の基本は変わりません。
たとえば、写り込んだキャラクターにフィルターをかけたり、色を変えたり、形をゆがめたりしたとしても、その元の著作物が識別できる状態であれば、著作権の侵害になる可能性があります。
また、他人が撮った写真を自分でトリミングや加工した場合、「自分の作品」として販売するのは完全にNG。他人の著作物を無断で二次利用してはいけないというのが大原則です。
ただし、自分の撮った写真に対して自分で加工を加えるのはOKです。その場合、元の著作権も加工後の著作権もあなたにあります。
ですが、加工の中で“他人の著作物”を含んだ状態のままだと、販売時にトラブルになる可能性があります。
結論としては、
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加工しても他人の著作物が含まれていれば販売NG
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加工=著作権が切れる、という誤解は危険
写真販売では「加工したから安心」という油断がトラブルのもとになります。
人が写っている写真は「肖像権」に注意!
写真に人が写っている場合、「肖像権」に関わるリスクが発生します。
本人の許可なくその写真を販売すると、プライバシーの侵害やトラブルの原因になる可能性があります。
特にストックフォトや商用利用を目的とする場合は、顔がはっきり写っていなくても注意が必要です。
この章では、肖像権に関する基本的な考え方や判断基準を紹介します。
通行人が偶然写っただけでもアウトになる?
「人が写ってるけど、通行人だし大丈夫でしょ?」と考えてしまいがちですが、通行人であっても販売する写真に写っているなら注意が必要です。
肖像権とは、「自分の姿を勝手に利用されない権利」のこと。つまり、本人の許可なく写真を商用利用(販売)することは原則としてNGとされています。
たとえば観光地や街中の風景を撮った際に、通行人がバッチリ写り込んでいたとします。
SNSにアップするだけならグレーゾーンで済むこともありますが、「販売」となると立場が変わります。
仮に写った本人が「これは自分だ」と特定できる場合、苦情や削除依頼、場合によっては損害賠償請求につながることも。
では、どこまでが「特定可能」なのか?
一般的には、顔が明確に写っている、服装・髪型が特徴的、場所や状況から本人が特定されやすい、といった場合に肖像権の対象になると言われています。
撮影の自由は認められていますが、販売する=営利目的になるため、より慎重な判断が求められます。
後ろ姿や一部だけの写り込みはOK?NG?
「顔が写ってなければ大丈夫でしょ?」
実はこの考え方、場合によっては危険です。
肖像権のポイントは“本人が特定できるかどうか”。たとえ顔が写っていなくても、後ろ姿、髪型、服装、持ち物、撮影された場所などの情報がそろっていて、本人や知人が見れば「これ、あの人だ」と分かるような写真は、肖像権の侵害とみなされる可能性があります。
たとえば、ある地域のイベントで撮った写真に、地元で有名な店主の後ろ姿が写っていたとします。
顔は見えなくても、「この服装と立ち位置、あのおじさんだよね」と分かってしまう場合、本人の承諾なしに販売すればトラブルに発展することも。
一方で、不特定多数の人が映っている中で、誰が誰だか全く分からないような状況であれば、肖像権の問題に問われにくいケースもあります。
とはいえ判断が難しい部分なので、「迷ったらモザイク処理」「写り込みを避ける構図にする」など、リスクを減らす工夫が大切です。
キャラクターやロゴの写り込みは特に注意!
写真の中に偶然写ってしまったキャラクターやロゴ。
撮影者としては意識していなくても、それらにはしっかりとした「著作権」や「商標権」が存在します。
特に有名キャラクターや企業ロゴの無断使用は、販売時に厳しく問われることも。
ここでは、キャラクターやブランドが写り込んでしまったときに、どんな問題が起こりうるのか、どう対処すべきかを解説していきます。
ポケモンやアニメキャラが写っていたら売れない?
「ちょっとだけ背景にポケモンのポスターが写ってるけど…まあいいか」
そう思ってそのまま写真を販売したとしたら、それは著作権侵害になる可能性があります。
ポケモンをはじめとするアニメキャラクターは、すべて著作権で保護された“創作物”です。
たとえ偶然であっても、写真にキャラクターがはっきり写っていて、それを商用目的(販売)で使用する場合、権利者の許可が必要とされるケースがほとんどです。
一部のキャラクターや作品では、ファン活動やSNS投稿を認めるガイドラインを公表しているところもありますが、「販売」や「商用利用」は明確に禁止されていることが多いです。
ポケモンに関しても、【株式会社ポケモン】が商用利用について非常に厳格な姿勢をとっています。
また、写り込みが小さくても、識別可能な状態ならNGとされる可能性があるため、“ちょっとだけ”が命取りになることも。
販売前に「写っているもの」にキャラクターが含まれていないかチェックし、必要であればトリミングやモザイクなどで対処することが安全策です。
「この写真、意外と危ないかも…」
そう感じたら、販売は控えるのが賢明です。
商品や看板、ブランドロゴが写っているとどうなる?
街中や店内で撮った写真に、企業のロゴや商品パッケージ、看板などが写っていることってよくありますよね。
これらも、販売用の写真として扱う場合は注意が必要です。
ロゴや商品デザインには「商標権」や「意匠権」、または著作権が関係してきます。
たとえば、コンビニの看板や有名ブランドのロゴ入りグッズなどが写っている写真をそのまま販売すると、企業側から“無断使用”と見なされる可能性があります。
特に広告的に使われる可能性のあるストックフォトでは、審査でNGになることが多く、「識別できる企業名・ロゴは避けてください」と明記しているサイトも多数存在します。
一方で、風景の一部として自然に写り込んでいる場合や、ロゴが極端に小さく識別できないような状態であれば、問題になりにくいこともあります。
ですがその判断はプロでも難しいため、できるだけロゴや商標が写らないように構図を工夫するか、加工で隠すことが安全です。
「売れそうな写真ほど、見落としがちな写り込みがある」
そんな罠を避けるためにも、撮影後のチェックは入念に行いましょう。
写真販売で実際に起きたトラブル事例
写真を販売するうえで、ルールやマナーを守っているつもりでも、意外なところでトラブルが発生することがあります。
ここでは、実際に起きた著作権・肖像権に関するトラブル事例を紹介しながら、「何が問題だったのか」「どう対処すればよかったのか」を具体的に解説します。
これらを知っておくことで、あなた自身の写真販売トラブルも未然に防ぐヒントになるはずです。
著作権侵害で写真が削除されたケース
あるストックフォトサイトに投稿された風景写真。投稿者は「自分で撮ったから大丈夫」と思っていましたが、背景に写り込んでいたのは有名なアート作品でした。
その結果、著作権者から削除申請が入り、写真は即時削除。さらにアカウントも一時停止される事態に。
このケースのポイントは、「自分で撮った=すべてOKではない」ということ。
写真に写っているものの中に、著作物(たとえば建築物の装飾や芸術作品)が含まれていた場合、それが問題になることがあります。
解決策としては、撮影前後に写り込みをチェックし、著作権があるものはできるだけ避けるか、写らないように工夫すること。
また、撮影場所の利用規約にも注意が必要です。
肖像権の苦情が来た実例
とあるイベントで撮影された写真に、通行人の顔がばっちり写っていました。
販売者は「許可は取っていないけど、イベントの様子だから問題ないだろう」と考えて販売。
しかし、後日その写真に写っていた本人から「無断で販売された」とクレームが入り、写真は削除、販売も中止される結果に。
このように、たとえ不特定多数が集まる場であっても、個人が明確に写っている写真は肖像権の対象となります。
「写り込んだだけ」「イベントだから大丈夫」と考えるのは危険で、特定可能な人物が写っている場合は原則として「本人の同意」が必要です。
リスクを避けるには、写っている人物が分かりにくい構図にするか、モザイク・トリミングなどで対処しましょう。
ストックフォトや販売サイトのルールも確認しよう
どんなに良い写真でも、投稿先のルールを無視してしまえば販売できません。
実は、ストックフォトサイトやフリマアプリなど、プラットフォームごとに細かい規定が設けられており、「著作権・肖像権」とは別に、独自のガイドライン違反で削除されるケースもあります。
ここでは、主要な販売サイトでよくある禁止事項と、その注意点を紹介します。
よくあるNG例:
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顔がはっきり写っている人物の無許可写真
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有名キャラクターやロゴの写り込み
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公共の場所でも禁止されている施設(テーマパークなど)の写真
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被写体の権利が不明確な写真
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加工が過剰でリアリティを欠く写真
ストックフォトサイトでNGになる写真とは?
ストックフォトサイトでは、販売できる写真に厳しいガイドラインが設定されています。
「売れる写真」かどうか以前に、「投稿が認められる写真」かどうかが審査のカギになります。
特にNGとされやすいのは、
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明確に人物が写っていて許諾がないもの
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キャラクター、ブランドロゴ、看板などの識別可能な要素が含まれるもの
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テーマパークや美術館など、撮影や商用利用が制限されている場所での写真
たとえば「PIXTA」や「Adobe Stock」などの大手では、肖像権・著作権のある被写体について「モデルリリース」や「プロパティリリース」が必要とされています。
つまり、“何が写っているか”が審査の通過を左右する最大のポイント。
せっかくの作品が却下されないよう、アップロード前にガイドラインの確認は必須です。
各プラットフォームの利用規約を守ろう
写真の販売場所によって、ルールは微妙に異なります。
たとえば、ストックフォトサイトでは「商用利用」を前提とした厳しい基準がある一方、フリマアプリや個人ECサイトではやや緩いこともあります。
しかし、油断は禁物です。たとえば、メルカリでは「他人の著作物を使った写真の販売は禁止」と明記されていますし、BASEやBOOTHといった個人向け販売サービスでも第三者の権利を侵害する写真の販売は禁止です。
また、トラブルが起きた場合、利用規約違反を理由にアカウント停止や損害賠償を求められる可能性も。
投稿前には、そのプラットフォームの規約を必ず確認すること。
できれば規約の「著作権」「肖像権」「禁止行為」の項目をチェックしましょう。
安心して写真を販売するためにできる対策
写真を販売する上で、最も大切なのは「安心して売れる状態を作ること」です。
写り込み・権利関係・販売先のルールをクリアにしておくことで、あとからトラブルになるリスクを最小限に抑えられます。
この章では、トラブルを避けるために撮影前後でやっておきたいことや、販売前に確認すべきチェックポイントを具体的に紹介します。
基本対策リスト:
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撮影時は背景や人物の写り込みに注意
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有名なキャラ・ロゴが写っていないか確認
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モデルリリース(被写体の同意)を取得
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プラットフォームの規約を事前に読む
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販売前に自分の写真を客観的にチェック
肖像権や著作物が写ったらどう加工すればいい?
もし撮った写真に「この人、顔がバッチリ写ってるな…」「あ、キャラクターの看板が…」という場面があったら、そのまま販売するのはNG。
でも削除してしまうのももったいない!そんなときは「加工」でリスクを回避することができます。
まず人物の場合は、モザイクやぼかし処理で顔を特定できないようにするのが有効です。
また、トリミングで写っている部分を切り取るのもシンプルかつ効果的な方法です。
キャラクターやロゴの場合は、「消す」か「見えなくする」が基本。
たとえば、ポスター部分を背景の色で塗りつぶしたり、ぼかしフィルターをかけて判別不能にしたりすることで、著作物の識別を避けられます。
ただし、「完全に見えなくする」ことが重要です。輪郭が分かる、文字が読める状態では、まだグレー。
加工前後を見比べて「誰が見ても分からないか?」という視点でチェックしましょう。
販売前にチェックしたいリスク管理リスト
写真販売前に「これ、大丈夫かな?」と思ったら、次の項目を確認する習慣をつけましょう。
事前のチェックで、ほとんどのトラブルは未然に防げます。
販売する写真を対象に、以下のようなチェックリストを使って確認してみてください:
写真販売前のチェック項目:
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人物が写っている → モデルリリースがある?ぼかし・加工済み?
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キャラクターやロゴが写っている → 判別可能?削除・加工済み?
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撮影場所 → 撮影・商用利用の制限はある?
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使用プラットフォーム → 利用規約違反してない?
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他人の作品・所有物が写っている → 権利者に許可済み?
このリストを通すことで、「見落としがちなリスク」を洗い出すことができます。
特に商用利用が前提なら、“万が一”を考えることが信頼につながる行動です。
まとめ:写真販売で気をつけるべきことは「写り込み」への意識
今回の記事では、写真を販売する際に気をつけるべき著作権・肖像権の基本から、キャラクターやロゴの写り込みによるトラブル、そして安心して写真を売るための実践的な対策までを幅広く紹介しました。
最も重要なのは、「写っているものすべてに責任を持つ意識」です。
✔ 要点まとめ
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自分が撮った写真でも中の被写体に権利が発生することがある
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人物の写り込みは肖像権、キャラやロゴは著作権や商標権に注意
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加工やモザイクでリスク軽減も可能
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販売サイトごとの利用規約を事前に確認する
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チェックリストで販売前のリスク管理を徹底
写真販売は、ちょっとした気配りと確認さえあれば、安全に楽しめる副収入手段になります。
「売れる写真を撮る」だけでなく、「安心して売れる写真を選ぶ」ことが大切です。







